だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう (イザヤ 6:8)。
これは、天の会議において父なる神様が会議に参列する御使 いらの前で語られたことばであった。そこにはもはや、アダ ムとエバの姿は見えず、彼らの座は空席のままであった。こ れはまだ、彼らがエデンの園から追放された直後で、このま ま人が地に増えると、地がますます罪と汚れに染まり、神の 栄光が地を満たすことがないことを、御使いらもよく知って いた。みな上の御父のことばに互いに顔を見合わせているだ けで、だれもそれに答える勇気はなかった。御父の計画は、 人間たちが彼と和解してエデンの園に戻ってそこに再び住 み、地に神の栄光が満ちるようになることであった。しかし そのためには、その遣わされる者が、人となって彼らの罪を 負い、身代わりになって死ぬことが必要であった。だれも答 えないでいると、以下のような声がその集まっていた場所に 響き渡った。
ここに、私がおります。私を遣わしてください!
それを言ったのは誰かと、みながその声のする方を見ると、 何と、それは、ひとり子の神であった!会議に参列していた すべての者が唖然とし、その場は急にシーンとなった。みな が御父がどんな返事をなさるかと思っていると、同じ声で次 のように言うのが聞こえた。
父よ。あなたの御名の栄光を現して下さい(ヨハネ 12:28)。
すると短い沈黙の後、答えがあった。
わたしは栄光をすでに現した。そしてもう一度栄光を現そう(28 節)。
そしてついに時が満ちて、この会議で決定されたことがすべ て地上で実行に移された。今は、キリストが父の右の座に座 られ、そこには、ゼベダイの子のヤコブ、ペテロもヨハネ も、ステパノやパウロも、さらにイエスの御名がゆえに殺さ れていった無数の証人たちが彼といっしょに座っている。そ して、あなたもその会議に座を占めている。すると、右にお られる方の声がした。
だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう (イザヤ 6:8)。